ありがたいことに、現場は着々と進んでいます。僕たちも図面や施工計画書のチェックに追われていますが、目の前のことだけでなく、初心を思い起こしながら、向かうべき方向を間違えないように心がけています。
妙高のホテルは、すこし前に外部足場が取れました!
元々の状態からは想像が付かないレベル。かっこいい。元々の写真と比べてみます。既存の窯業系サイディングや記号的な筋交い(つまり模様)を杉ルーバーで隠しています。鉄骨のベランダ棟を増築し、リビングからフラットに繋がる屋根付き空間を設けました。内部は、、、まだ足場がたくさんありますが、床を抜いて軽量化して現行法規を満足する形で確認済証を取得します。法的にもデザイン的にも重要な吹き抜けを中心に、3つの寝室が取り囲むものになります。


増築棟の形状やその意図は、竣工してから発表するとして、大分仕上がってきました。菱金網による手すりは、我孫子のグループホームで初めて取り組み、SCOP TOYAMAで簡素なディテールにして(せざるをえず)、今回は用途的にすこしゴージャスな形で取り組んでみました。金網の色、金物形状を吟味しましたが、中空ボルトを利用したワイヤー納まりは個人的には久々のヒットの予感です。これ、納め方の初手に手間取ってちょっと苦しい流れになってしまった中で、ふと思いついたディテール。起死回生のディテールです。施工者も意図することを掴んで、スケッチを元に迅速に動いてくれました。ありがたいです、ホント。


温泉も大事な要素です。最下階の浴室はRC造部分になりますが、丁寧な仕事を続けて下さっています。湯口のデザインを堪能しています。この温泉、駐車場周りの融雪にも使います。妙高は海外資本の流入が始まっていますが、ひと味違ったホテル整備となっています。既存ストック活用、法的課題の解決、地場産エネルギー利用といった手法面を意識したプロジェクトです。
仲建築設計スタジオでは、リノベやコンバージョンの知見を蓄積していますし、元々取り組んでいた環境配慮建築のノウハウも活かせます。第二の故郷の白馬の惨状(地域性や気候を顧みない乱開発)にも心を痛めています。地域性配慮型ホテルのご依頼(もちろん他の用途でも)、お待ちしてますw

京王多摩川駅前のプロジェクトでは、街区によって進捗状況が異なり、現場が進む街区と、設計中の街区に分かれています。かなり頭が混乱するのですが、駅前空間は統一感が重要ですから頑張ってます。先日は電車からこんな光景が見られました。平日の早朝。多摩川。カヌーやサップを楽しむ豊かな時間が流れています。再開発マンションといっても、今までとはひと味もふた味も違うものになります。周辺地域に開かれた形での、郊外駅前の再定義。



松本では、NSD松本養護学校(特別支援学校)の新築フェーズが始まっています。SALHAUSと仲建築設計スタジオの設計監理JVです。フェーズ1の除却工事が終わり、新築工事に移っています。まずは体育館棟と寄宿舎棟、プール棟、作業小屋棟をつくります。敷地形状が不整形で、また仮囲いの外には児童・生徒達の空間が広がっているので、慎重な工事計画が求められます。施工者の皆さんには頭が下がります。われわれの常駐体制も整いつつあります。

