SCOPまつりを見学

SCOP TOYAMAのお祭りに。このプレスリリースにある冒頭の一文が泣けます。こんな一文です:
「SCOP TOYAMA は 2022 年 10 月の開所以来、地域の創業支援拠点、および、創業・移住促進住宅として 職住一体の新しい生活スタイルを提案しています。」
プロポで提案して設計業務を通じて「職住一体」というキーワードを県側に伝え、具現化しました。新しい指定管理者の方々にも、その思想はしっかりと受け継がれていました!
※SCOP TOYAMAの詳細はこちら→https://www.nakastudio.com/archives/222

3年目の今年は主催が指定管理者側で、施設利用者(お店やオフィス)や居住者も参加するスタイルなんだそう。なので、知ってる方々が屋台出してたり、ワークショップをやってみたり、もちろんお店もいつも以上にパワーアップしてやったり。参加のきっかけも面白くて、たまたま工房で作業してて出会った方々に触発されて、とか、シェアハウスの日々の会話のなかからちょっとやってみようか、とか。すなわち、「横糸空間」の効果であり、個々に眠る小さな経済的活動なのですかね。

利用者・居住者による展示も見られた

ただ、属人的な取り組みばかりかというとそうでもなくて、相変わらず高校のところは中身の濃い体験展示を用意してて大人気でした。起業や創業支援も充実していて、ひっきりなしにセミナーやら相談会やらが組まれていましたし、センター棟の3階や4階は一般に開放され、いろいろな活動が垣間見えて、歩いているだけで興味深く感じました。

高校電気工学科のドローン体験。天井の高い部屋を希望したそう
センター棟3階では、種々のトークイベントが組まれていた
事業の発端となった高校生の提案など、これまでのプロセスも展示

懐かしい面々にご挨拶できたばかりか、周りの地域に住む方々ともどんどん繋がってお話ができました。設計開始後ほどなくして、周辺の3つの町内会長と懇談した時のことを思い出しました。「暗いからなんとかして」「カフェなんてできっこないかなぁ」と。前者のコメントは岡安さん(照明デザイナー)と一緒につくった、銅板パネル(モメンタムファクトリーOrii製のパネル)に組み込んだ照明に結びつきました。後者のコメントは、チャレンジショップをちょっと特別に扱って、高校生とのワークショップでデザインし、実際につくることに結びつきました。

中心にカフェレストランをつくるという構想は、地域の方々との会話のなかから生まれた(竣工写真)
道路に面した外壁に銅板パネルと一体となった照明を設置した(施工時の写真)

創業・移住促進住宅の初期メンバーはそろそろ退去期限ということで、今日はたまたまお目にかかれた2人から(2家族から)、近所に移住すると聞きました。創業や移住に挑戦する人のための住宅という設置目的から、入居期間が3年と決まっています。その間に、富山になじみ、自身の人生設計をするわけですが、指定管理者としても定住にシフトするための支援をいろいろ行っていると伺いました。

指定管理者や高校教諭のみなさんと

指定管理者さんからは面白い起業も出てるんだと。まあ要は、イベントの一体感は、これまで培ってきた、日頃の一体感・同志感の現れなんだな、ということなのだろうと思います。

あちこちを見て回りました。建築の形の特徴を捉えて、さまざまな場ができていました。ホッとしました。しばらく経ってから訪れるのは緊張もあるけど、発見もあるものです。

渡り廊下のスロープ形状にも注目
分節された外部空間ごとに出店ブースが配置されていました
あいにくの雨でしたが、とにかくすごい熱気でした